画像出典:がん患者の日常
抗がん剤「アービタックス」の副作用のひとつに、爪のまわりに炎症が起きることがあります。
この症状は、肌荒れやニキビのような発疹と同様、アービタックスが皮膚のEGFR(上皮成長因子受容体)を抑える作用によって引き起こされるものです。

症状は軽いものから重いものまでさまざまで、80%以上の人に皮膚症状が現れるとされています。医療機関でも「皮膚症状ケアブック」が配布されているほどです。

悩まされていた爪のトラブル

僕自身、ケアブックに沿って保湿や清潔を心がけ、スキンケアを丁寧に行ってきました。
それでも、ほんの少し指先をぶつけるだけで爪の生え際から出血してしまうことが何度もあり、「これだけ気をつけていてもダメなのか…」と感じていました。

抗がん剤治療を2年以上続ける中で、さまざまな対策を試してきた結果、ようやく「これが一番効果的だ」と思えるケア方法にたどり着きました。

爪の炎症があると、日常生活にも影響が

爪周りに炎症が出ると、意外なほど日常生活に支障をきたします。
  • 箸を持つと指先が痛む → フォークやスプーンに切り替える
  • 掃除中に何かに指をぶつける → 痛みや出血
  • 腫れや赤み → ペンを持つのもつらい
出血といっても滲む程度で自然に止まりますが、何度も繰り返すとストレスが積もっていきます

僕が実践しているシンプルなケア

画像出典:がん患者の日常
症状を改善した方法は、とてもシンプルです。
  1. 手を洗ったら必ずハンドクリームを塗る
  2. 塗るときに指一本ずつをしっかりとマッサージする
特に意識したのは、「血流を促すこと」
反対の親指の関節を使って、各指の根元から先までを上下にしっかりとマッサージ。コリコリと音が聞こえる程度の力加減で行います。これを1日数回、数分ずつ続けました。

僕の場合は、2週間ほど継続してくと徐々に効果を実感できました。
今では多少ぶつけても出血はなく、腫れもほとんどありません
※ハンドクリームはキスミーハンドクリームが手ごろな価格でおすすめ

まとめ:手間はかかるけど、お金はかからないケア

このセルフケアは、鍼治療の考え方(血流改善)からヒントを得て試したものです。
時間はかかりますが、特別な道具も薬も必要なく、誰でもすぐに始められる方法です。

アービタックスの副作用で指先の炎症に悩んでいる方には、ぜひ一度試していただきたいと思っています。