画像出典:がん患者の日常
抗がん剤治療を長期で行うと、点滴注射から「CVポート(中心静脈ポート)」に切り替えることがあります。
僕は左鎖骨下にポートを設置してから、ちょうど2年が経過しました。
※上の写真はポートに点滴ボトルを使用しているときのもの。鎖骨下の膨らみ部分(CVポート)から点滴ボトルが接続されて、ボトルからの管が首元からボトル本体の入った肩掛けのポーチに向かっています。
今回は、実際に使ってみて感じた見た目や違和感、使用感について、体験ベースで詳しくお伝えします。
CVポートとは?
CVポートは、長期間にわたって抗がん剤などの薬剤を静脈から体内に投与するための医療機器です。
本体は胸や腕、太ももなどに埋め込み、そこからカテーテル(細い管)が静脈へと挿入されます。
僕の場合は左の鎖骨の下に設置しました。周囲を見ても、同じように鎖骨下に設置している方が多い印象です。
手術の流れ
僕が受けた手術は、局所麻酔で30分ほど。
その後、経過観察のために1泊入院しました。痛みも少なく、比較的あっさりとした印象でした。
※手術時のレポートはこちら→https://gan-nichijo.com/?p=206
見た目と違和感について
※画像出典:がん患者の日常 / 画像クリックでぼかしなしの画像が表示されます。ポート上部の赤み傷はポート設置時の手術での切開痕が2年経っても消えません。ポートにある赤い点は当日まで点滴を行っていた針痕です。
ポートのサイズは、縦横2〜3cm、高さは1cmほど。使用しているのはテルモ社の「DewX Eterna」シリーズです。
見た目の印象としては、Tシャツやタンクトップなどピタッとした服でなければほとんど目立ちません。
上半身を露出した場合は色と膨らみで少し目立つ大きさかもしれません。また、副作用の影響によって消えにくくなった注射痕や点滴痕が残っていたり、発疹が多く出ている場合は更に目立つこともあります。
点滴ボトルを装着しているときは?
抗がん剤治療後、持ち帰りの点滴ボトルを約46時間使用します。
このときは、ポートにヒューバー針が刺さっており、さらにボトルと繋ぐチューブが首元から伸びています。
見た目には少し目立ちますが、ボトルは斜めがけのウエストバッグに入れて過ごしています。※最上部の写真
Tシャツ着用時のCVポートの膨らみは?
※画像出典:がん患者の日常
Tシャツを着ているとあまり目立ちません。(指先部分がポート設置部)
※画像出典:がん患者の日常
周りを指で押さえると少しCVポート設置部の膨らみが分かる程度です。
使用感|CVポートは本当に楽?
以前は腕からの点滴で、痺れや痛み、内出血がかなりつらかったのですが、CVポートに切り替えてからはそれが激減しました。
治療中も痛みはなく、横になったままリラックスして過ごせます。治療内容や治療期間など様々な理由により異なると思いますが、「最初からポートにしていればよかった」と思うほど快適です。
注意点と気をつけていること
ヒューバー針が刺さっている状態のときは、設置側を下にして寝返りが打てません。
また、チューブが引っかかったりぶつかったりしないよう、日常生活でも工夫が必要です。
ポートを使っていない日でも、圧迫に注意が必要です。
リュックのベルトや斜めがけのバッグ、体育座り、テーブルの角など、意外とぶつかる場面は多いので、常に気を配っています。慣れ過ぎて設置していることを忘れるのも良くないので気にしながらの生活となります。
メンテナンスについて
CVポートの交換時期は人それぞれですが、数年間は使用可能とされています。
使っていない場合は、4週間に一度のフラッシュ洗浄(生理食塩水の注入)でメンテナンスが必要です。
僕の場合は2週間に一度、治療で使用しているため、別途メンテナンスはしていません。
まとめ
CVポートは、抗がん剤治療を続ける上で大きな助けになっています。最初は不安もありましたが、見た目もそれほど気にならず、何より治療が楽になるメリットが大きいです。
これからCVポートを設置しようか悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。