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僕が直腸がんの手術を受けてから約9か月後、右肺への転移が見つかり、再び抗がん剤治療が始まることになりました。その準備として「CVポート」の埋め込み手術を受けました。
今回は、CVポートとは何か、手術の流れや使い心地、日常生活での注意点など、実体験をもとに詳しくお伝えします。
CVポートとは
CVポート(中心静脈ポート)は、抗がん剤や点滴などを長期間・安定的に投与するために体内に埋め込む医療機器です。ポート本体から細いカテーテルを通じて、薬剤を中心静脈へ直接流し込む仕組みになっています。
設置場所は人によって異なり、胸部や腕、太ももなどに埋め込まれます。僕の場合は左の鎖骨の下でした。
埋め込み手術の流れ|僕のケース
手術は局所麻酔で行われ、所要時間は約30分。術中は意識があったのでかなり緊張しました。心拍数が上がってしまい、看護師さんに何度も「大丈夫ですか?」と声をかけられたほどです(笑)。
無事に手術を終えた後は、1泊だけ入院して経過観察。大きなトラブルもなく、翌日には退院できました。
CVポートの使用感|腕からの点滴と比べて
以前の抗がん剤治療では、毎回腕に点滴の針を刺していたのですが、これがかなりつらかったです。皮膚に内出血が残ったり、抗がん剤投与中は痛みやしびれも感じていました。治療を重ねるごとに痛みも強くなり、剣山で腕をずっと刺しているような痛みを感じていました。治療後も1週間弱は腕に痺れが残ります。
それに比べて、CVポートからの投与はほとんど痛みを感じません。点滴中もリラックスできるので、体への負担が大きく軽減されました。治療後も全く痛みなどは出ません。
抗がん剤「お持ち帰り」期間中の過ごし方

僕の治療では、院内での抗がん剤治療の最後に携帯用の抗がん剤を装着されます。抗がん剤のボトルを約46時間携帯して過ごし、後に自宅で針を外すスタイルです。
この期間中は次の点に注意しています:
- 入浴はNG → シャワーで針部分を避けて軽く洗う程度に
- 寝返りや運動は控える → ポートの圧迫を避けるため
- 服装に注意 → 体のラインが出る服だとポート部分が目立ちやすいので、ゆったりした服が安心
日常でも、ポートを圧迫しない工夫が必要です。例えば:
- リュックやショルダーバッグのストラップ位置
- 机に寄りかかったときの胸への圧迫
- 体育座りなどでポートが当たる姿勢を避ける など。
針の抜き方|自宅でのケア
約2日間の点滴が終わると、自分で針を抜く必要があります。僕の場合は妻にお願いして抜いてもらっています。
抜き方については、入院中に看護師さんから夫婦でレクチャーを受け、動画撮影もOKでした。安心して自宅でできるよう、「取り扱い冊子」も渡してもらえます。
用意しているものリスト
針の抜き取りの際や自宅でのケアには、以下のような道具を使っています:
- ニトリル手袋(衛生のため)
- プロペトや馬油(テープ跡の肌ケア用)
- アルコール綿(消毒用)
- 空の牛乳パック(使用済みの針やボトルを入れて病院へ返却)
この辺りは、実際に治療を受けている人にしか分からないリアルな部分かもしれませんね。
まとめ|CVポートは、治療を少しでも快適にしてくれる道具
CVポートには見た目や日常生活での制限もありますが、長期の治療においては間違いなく「負担を減らしてくれる選択肢」だと感じています。
僕のように再発や転移で治療が長引くケースでは、CVポートの導入はかなり助けになると思います。これから手術を控えている方や、ご家族が検討されている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。