きっかけは…
がんが見つかるまで病気や入院など遠いものだと思ってました。お酒やたばこも15年以上前に辞めて20代からそれほど体形も変わっていない。体力は落ちたけどそれほど調子も悪くない。そんな僕が直腸癌ステージ3cの診断を受けました。
最初に異変を感じたのはトイレ後にトイレットペーパーに血が付いていたこと。強く拭き過ぎたかな?と判断していました。そんなことが1週間続き…こんなに続く?と思い、妻に相談。もともとは病院が苦手で、できるだけ行きたくない性格でしたが、妻の後押しで近隣で評判の良いクリニックを見つけて内視鏡検査の予約をしました。
内視鏡検査
検査日当日には、あらかじめ自宅で下剤である「マグコロール」を内服。約1.8Lのスポーツドリンクのような液体を2時間掛けて飲みます。その後は数時間かけて腸内の便など全て出し切って落ち着いた頃に病院へ行きました。
控室で濃紺の紙製トランクスのような検査用下着に着替えてから検査室へ入りました。横向きになり内視鏡検査を行います。照明を落として暗い中での検査なので、それほど抵抗感もなく行えます。また、紙製のトランクスも肛門近くだけスリットがあるため、下着を下ろさず検査が可能です。
検査中の痛みが気になる場合は事前に「鎮静剤」を希望もできます。ただし、帰りは車の運転ができませんので、僕は鎮静剤を使いませんでした。時折我慢は必要でしたが、なんとか我慢できる程度の痛みです。あとで分かったことですが診察してくれた先生の技術が高かったのもあります。
内視鏡が一番奥まで来たところから画面を先生と一緒に見ながら説明を受けます。小さなポリープが一つ見つかり、その場で切除されました。直腸に来たところで腫瘍が見つかりました。見た感じは悪性とのこと。一部を切除し生検に出すことに。結果が分かり次第、またクリニックに伺うことになりました。次回までに手術を行う病院や通院のこと、仕事や家族のことなど毎日考えることとなります。今まで大きな病気もしたことがなく過ごしてきたためかなり落ち込みました。人生で一番の落ち込みです。
結果と不安との向き合い
結果はやはり悪性腫瘍。直腸癌です。肛門から10cm程度進んだところに約3cm程度の大きさで、腫瘍が直腸の壁を越えて近くのリンパ節に広がっている状態なのでステージ3以上。
がん告知ではとても落ち込みました。人生・寿命・家族・仕事・収入・手術・痛み・リハビリ・通院・抗がん剤治療・副作用・日常生活全てが変わります。なんで自分が?と暗い穴の底に落とされたような、とても這い上がれない気分です。
20代の頃からそれほど体形も変わらず、お酒もたばこも15年以上前にすっぱりやめて食べ過ぎることもない。30代直前で独立起業したので、以降は仕事仕事に必死になり運動不足は否めません。けれど、やっぱり思うのです。何で自分なんだろうと。自暴自棄になったり家族に弱音を吐いて泣いたりもしました。けれど、結局は手術をして前に進むしかないのです。百戦錬磨の先生に任せて麻酔で寝てれば手術は終わってる。リハビリだけしっかり頑張って何とか少しでも長く生きてやろうと、少しづつでもいいので忘れないよう自分自身に言い聞かせていました。
こうして病気とは無縁と思い込んでいた僕は、少しづつがんと向き合うこととなりました。