画像出典:がん患者の日常
退院から1か月、ようやく日常生活に慣れ始めたころに始まったのが抗がん剤治療です。一般的にはステージ3以上であれば再発や転移を防ぐために術後1カ月以内に抗がん剤治療を開始します。僕の場合は、2週間おきに8回の治療を行うこととなりました。

抗がん剤の種類

大腸がんの化学療法に使われる薬剤は主に11種類あり、腫瘍の局在や遺伝子変異を考慮して組み合わせなどが選択されます。つまり、大腸がんであっても「直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸・虫垂」の局在と、「RAS変異ありなし・BRAF変異ありなし」などによって組み合わせが決まります。

治療中の体の反応

治療は化学療法室で点滴で行われます。左右どちらかの腕から数時間掛けて抗がん剤を点滴で投与します。

前腕に挿した針から上腕まで痺れを感じると思います。電気毛布などで温めることで多少痛みが軽減するので積極的に痛みや違和感について看護師さんに伝えることが重要です。この痺れは回数を重ねるごとに剣山で常に刺されているような激痛へと変わっていくので本当に辛いです。

他に当日中の副作用としては頻尿や急性の下痢の反応が強く出ましたが、このあたりは個人差もあるかと思います。

副作用

一般的には抗がん剤=髪が抜けるのイメージですが、実際には治療によってまちまちです。今回の治療では髪が抜ける副作用はなく、「末梢神経障害・骨髄抑制(白血球や好中球の減少)・悪心・嘔吐・食欲不振・味覚・嗅覚の変化・肝障害・血管炎・静脈炎・手足症候群」があり、患者によって程度の差があり、必ず起こる訳でもありません。僕自身が反応した副作用は「末梢神経障害・骨髄抑制(白血球や好中球の減少)・味覚の変化・静脈炎・手足症候群」が主でした。

抗がん剤治療中は着圧タイプの手袋を靴下を必ず付けて治療を受けていました。面倒ですが後々大きな差となるので最初から着けて治療する方が良いと思います。効果等については京都大学の「弾性圧迫グローブ・ストッキングを用いた圧迫療法による化学療法誘発性末梢神経障害発症軽減の臨床研究」を見てみると良いかもしれません。

末梢神経障害

末梢神経障害とは「手足や口のまわりのしびれ、痛み、感覚異常」が挙げられます。冷たいものに触れると障害が起き、対策をしないと治療後にも長く後遺症として残ることがあります。冷たい水・蛇口・ドアノブ・缶など…冷たいものに触れるとピリッとする感覚です。面倒ですが家では綿の手袋を付けて、水を扱うときはゴム手袋など必ず付けた方が良いです。蓄積型の障害となるので最初から対策することが重要です。

手足症候群

手足症候群は「手や足のしびれ、痛みなどの感覚の異常、手や足の皮膚の赤み、むくみ、色素沈着」などが挙げられます。足の痺れやひび割れなどが酷くなると、日常生活の質が落ちるので、出来るだけケアを行うことが重要です。僕は「化粧水やプロペトでの保湿」と「常に靴下を履くことで保護」することでかなり防ぐことが出来ました。

骨髄抑制(白血球や好中球の減少)

僕はもともと白血球が少なかったため治療後は基準値を下回るため、通常は2週間に一度の治療スケジュールでしたが、3週間4週間と伸びていき、最終的には5週間毎の治療となったほどです。そのため当初は4カ月程度の治療期間が8か月程度まで伸びてしまいました。