画像出典:がん患者の日常
直腸がんの手術を受けたあとの入院生活って、実際にはどんな感じなのか――。
僕自身の体験をもとに、術後から退院までの21日間の入院生活を時系列でレポートします。

これから手術を控えている方や、ご家族が同じ状況にある方の参考になれば幸いです。

術後から退院までのスケジュール概要

  • 入院開始:手術の2日前
  • 手術日:入院3日目
  • 退院日:術後19日目(=入院21日目)
当初は術後15日前後での退院を予定していましたが、「排便の確認ができるまでは退院できない」とのことで、結果的に少し長めの入院となりました。

焦る気持ちもありましたが、今思えば、しっかり回復するために必要な時間だったと感じています。

術後すぐの状態|“管だらけ”で動けない日々

術の翌日、HCU(準集中治療室)から病室に戻った僕の体には、いくつもの医療器具がつながれていました。
  • 点滴(腕)
  • 尿管(下腹部)
  • ドレーン(お腹)
  • 酸素吸入、心電図モニター など
腹筋を切開しているため、起き上がることすら一苦労。ベッドのリクライニングと手すりを使いながら、何とか動ける状態でした。

それでも、術後すぐに歩行リハビリがスタート
点滴や管をつけたまま、看護師さんに付き添ってもらいながら、病棟内を少しずつ歩く練習を始めました。

術後の絶食と食事再開|「空腹」がいちばんつらかった

大腸を手術したあとは、腸をしっかり休ませる必要があるため、しばらくは完全絶食でした。

食べられないつらさは、術後の痛みよりも強く感じました。
点滴だけで数日過ごしたあと、術後6〜7日目頃から回復食が始まります。

最初のメニューは以下のような内容です。
  • 三分がゆ(柔らかいおかゆ)
  • スープ類
  • 少量の煮物 など
そこから徐々に、

三分がゆ → 五分がゆ → 七分がゆ → 通常食に近い食事へと段階的に進んでいきました。
「普通に食べられる」ことのありがたさを、改めて感じる時間でもありました。

入院中の1日のスケジュール

実際の入院生活では、以下のような1日を過ごしていました。
時間 内容
6:00 起床
6:45〜7:00 担当看護師の回診
7:00 朝ごはん
7:45 担当医の回診
8:40 チームによる回診
10:30 担当看護師の回診
12:00 昼ごはん
14:50 担当看護師の回診
17:00 担当医の回診
18:00 夜ごはん
20:30 担当看護師の回診
21:00 消灯
このほかにも、リハビリ、採血、検査、問診などが日々行われ、実際には「意外と忙しい」入院生活でした。

管が外れた瞬間、生活が一変!

術後12日目、すべての管と点滴が外れたことで、生活の快適さが一気に向上しました。
  • 自由に動ける
  • スマホやPCも気軽に使える
  • シャワーに入れる
  • 食事もほぼ通常通り
この頃からようやく「もう少しで退院できそうだ」という実感がわいてきました。

最後の関門は「排便の確認」

退院のために、医師から最後に言われたのは、「排便があることの確認」でした。

食事を再開してしばらく経っても便通がなく、正直なところ焦りました。

主治医に相談し、マグネシウム系の緩下剤を処方してもらった結果、術後19日目にようやく排便が確認でき、退院が決定しました。

退院を迎えて|21日間の入院生活で得たもの

直腸がんの手術は大きな節目でしたが、そのあとの入院生活もまた、僕にとってはかけがえのない時間でした。
  • 痛みや不安
  • 食事制限や不自由な生活
  • リハビリのつらさ
こうした体験を通して、「回復する力」が自分の中にあることを、少しずつ実感できました。
退院の日には、歩けるようになり、食べられるようになった自分に、ほんの少し誇らしさを感じました。

同じ境遇の方へ

これから直腸がんの手術を控えている方、またご家族が入院される方にとって、少しでも安心材料になればと思い、この記事を書きました。

入院生活には不安がつきものですが、回復の道のりには確かなステップがあります。
焦らず、自分のペースで回復していくことが何より大切だと、僕は実感しました。