画像出典:がん患者の日常
直腸がんの手術や入院に、どれくらい費用がかかるのか不安な方も多いと思います。今回は、僕が実際に体験したロボット支援下の直腸がん手術と、それにかかった費用について、具体的な金額や制度を交えてわかりやすくまとめました。

これから手術や入院を控える方、そのご家族にとって少しでも参考になれば幸いです。

手術・入院費用の概要(県立がんセンターの場合)

  • 総費用:約185万円
  • 内訳:手術料、入院費、検査料、薬代など
  • 入院期間:21日間(※月をまたいだ入院)
実際の自己負担額は健康保険の3割負担により、約55万円前後。
ただし、ここで重要なのが高額療養費制度です。

高額療養費制度を活用すれば負担が軽減される

日本の公的医療保険制度には「高額療養費制度」があり、医療費の自己負担額には月単位で上限が設けられています。

高額療養費の自己負担限度額(一例)
※年収約370万〜770万円の場合:
80,100円 +(医療費 – 267,000円)×1%
たとえば、医療費総額が100万円の場合:
80,100円 +(1,000,000円 – 267,000円)×1% = 87,430円
→ 本来30万円かかるところが、87,430円に抑えられるという仕組みです。

注意点:
  • 対象期間は「1日〜月末までの1か月単位」で計算される
  • 月をまたいで入院した場合は月ごとに計算され、自己負担が2か月分になる
  • 申請後の後払いになる(医療費をいったん全額支払う必要あり)
※マイナンバーカードを保険証として利用する場合は申請の必要なく適用されます。

差額ベッド代(個室利用時)

僕は個室を選んだため、差額ベッド代が発生しました。
  • 1日あたり:2万円 × 21日間=約42万円
これは保険対象外で、高額療養費制度の適用もありません。
結果的に、医療費の自己負担よりも高くなったため、個室の希望がある場合は事前の確認がおすすめです。

その他の自己負担費用

入院中は、医療費とは別に以下のような費用も発生しました。
  • パジャマ・タオルのレンタル代
  • 飲み物・マスクなどの購入費用
  • テレビカード代 など

高額療養費制度(69歳以下の方の上限額

 適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
 年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
 252,600円+(医療費-842,000)×1%
 年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
 167,400円+(医療費-558,000)×1%
 年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
 80,100円+(医療費-267,000)×1%
 ~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
 57,600円
 住民税非課税者 35,400円

最後に:費用はあくまで「目安」。事前の確認が安心

今回ご紹介した内容は、あくまで僕自身の体験と費用の一例です。

実際の費用は、以下の要素で大きく異なります:
  • 病院の場所や規模
  • 使用される医療機器や薬の種類
  • 個室利用の有無
  • 医療保険の種類や給付条件
不安な場合は、事前に病院の事務スタッフやソーシャルワーカーに相談すると、より正確な見積もりを出してもらえることがあります。