画像出典:がん患者の日常
抗がん剤治療を続けていくうえで、副作用との付き合い方はとても重要です。

僕は現在「アービタックス+FOLFIRI療法」を受けていますが、命に関わるような重篤な副作用は少ないものの、対策を怠ると生活の質(QOL)が下がってしまう副作用には日々向き合っています。

この記事では、病院での処方薬以外に、僕自身が使っている市販アイテムやケアの工夫をご紹介します。同じ治療を受けている方の参考になればうれしいです。

肌の乾燥対策|全身を守るためのスキンケア

アービタックスは、がん細胞だけでなく皮膚細胞のEGFR(上皮成長因子受容体)にも作用するため、にきびのような発疹や皮膚の乾燥・炎症が副作用として現れやすいです。

僕の場合、頭皮から足先まで乾燥が見られ、全身ケアを欠かさず行っています。

処方された薬:
  • ヘパリン類似物質ローション/クリーム
  • プロペト(ワセリンベース)
これらを基本にしつつ、市販のアイテムも併用しています。

頭皮の乾燥と発疹|専用保湿でかゆみ・赤みをケア

治療再開後、頭皮にも発疹が出るようになり、乾燥も強くなってきました。そこで取り入れたのが:
  • 花王キュレル 頭皮保湿ローション
→ 無香料・無着色・弱酸性で、少量でも伸びがよく、ベタつかず使いやすい。
  • リドメックス軟膏(処方)
→ 頭皮にできた発疹に、保湿後ピンポイントで塗布。

お風呂上がりに塗ることで、頭皮のつっぱりや赤みがかなり和らぎました。

    指先の乾燥と炎症|ハンドケアのルーティン

    指先は手洗いのたびに乾燥し、あかぎれや炎症を起こしやすい場所です。僕は以下のルーティンを続けています:
    • キスミー薬用ハンドクリームを1日数回、3cmほどしっかり塗布
    → 指先・爪・手首まで念入りにケア。
    • 爪周囲に炎症があるときはリドメックスを塗布
    綿の手袋を着用して保湿効果を高める。

    ハンドケアは面倒に感じるかもしれませんが、習慣化するとかなり楽になります。

    腕・脚の乾燥|ベタつかないボディケアの選び方

    ヘパリンも使用しますが、ベタつきが気になるため、僕は市販の保湿剤を中心に使っています。

    おすすめは:
    • 花王キュレル ボディローション(無香料・弱酸性)
    → 肌なじみがよく、ベタつかず快適。
    使い方のポイントは「少量をのばす」のではなく「たっぷり塗る」こと。
    特に足の指や爪まわりには以下を併用しています:
    • プロペト(足裏)
    • リドメックス(爪の炎症)
    • コットン靴下+室内スリッパで保護

    発疹と赤み|ステロイド外用薬の使い分けと補完療法

    僕は顔や首、上半身にかなりの発疹が出ていて、外出にも抵抗があるほどでした。1か月ほどでピークは越えましたが、現在も軽い発疹は出続けています。

    処方薬:
    • 顔:リンデロン
    • 体:アンテベート
    加えて、最近効果を感じているのが「ルート治療(針治療)」です。

    正直、薬や代替医療には懐疑的だったのですが、妻のすすめで始めた針治療で、乾燥や発疹が目に見えて改善。興味深いので、別記事で詳しくまとめたいと思います。

    脱毛対策|坊主+セルフカットで快適に乗り切る

    FOLFIRI療法に含まれる5-FU(フルオロウラシル)とイリノテカンの影響で、今回は脱毛も起こると聞いていたため、早めに坊主にしました。

    使用したセルフカット機器:
    • パナソニック ボウズカッター ER-GS61
    → 初心者向けで、価格も手頃。丁寧にやれば30分ほどで整います。
    • その後:パナソニック プログレード ER-SC61に買い換え
    → 充電時間は短いが、切りすぎる印象あり。個人的には最初のGS61の方が好み。

    おすすめの長さは2〜3mm。それ以下は肌への刺激が強くなります。

    入浴時の工夫|皮膚のバリアを守る洗い方

    皮膚の乾燥を防ぐため、お湯の温度・洗い方・使用する石けんにも気を使っています。

    僕の入浴スタイル:
    • 湯温:40℃前後、入浴時間は10分以内
    • 洗顔・シャンプー:ミノン 全身シャンプー
    • 体用:牛乳石鹸(赤箱)
    • 体は手または極柔らかいタオルで優しく洗う
    特に擦りすぎは禁物。病院からも「できれば手洗いを」と指導されています。

    まとめ|副作用とうまく付き合うために

    アービタックス+FOLFIRI療法による副作用は、きちんと対策をすれば日常生活に支障をきたさずに済むことが多いです。

    処方薬だけに頼らず、市販品や生活の工夫を組み合わせることで、「抗がん剤治療を続けやすくする」ことができます。

    これから治療を始める方や、副作用で悩んでいる方の参考になれば幸いです。